【税理士が解説】いよいよ介護サービス事業者経営情報データベースシステム稼働開始!

介護保険制度

 皆さん、こんにちは。元有料老人ホームの施設長を担当していた税理士・行政書士の山田勝義です。

令和6年11月6日にアップしたブログ「【税理士が解説】介護サービス事業者経営情報データベースシステムの運用開始について!」では、まだこのデータベースシステムの名称がハッキリしていませんでしたので、このような名称で書き進めましたが、結果として名称は「このまま」でしたね。笑

さて、改めて今回の介護最新情報Vol.1336(令和6年12月13日)で、このデータベースシステムの名称と稼働開始日が厚生労働省から示されましたので以下に記します。

このデータベースシステムの名称は、「介護サービス事業者経営情報データベースシステム」であり、稼働開始日は、「令和7年1月6日」ということが示されています。

今回のブログでは、このことについて、改めて事業者として何をしなければならないのかをブログを通じて一緒に確認したいと思いますので、皆さんよろしくお願いします。

1.しつこいようですが「介護サービス事業者の情報公表に関する義務には2種類」あります!

 従前に私は、「令和6年度 介護サービス事業者の情報公表に関する義務には2種類あります!」というブログを書きました。しかしながら様々な場面で、この2種類があるということを理解していない事業者の方々にお会いすることがあるのです。よって、しつこいようですが、今一度、以下AとBの2種類あることを確認しましょう。そして今回の介護最新情報Vol.1336(令和6年12月13日)の話は、「A」の話です。

A 介護サービス事業者の「経営情報の調査及び分析等」

B 介護サービス情報公表制度における「財務状況の公表」

では、次項では、このAの「介護サービス事業者データベースシステム」では、事業者は何をしなければならないのかに焦点を当てて、説明していきたいと思います。

2.「介護サービス事業者データベースシステム」稼働で事業者がやること!

では、本項では、「事業者の皆さんが何をしなければならないのか?」を、順番に説明します(①~⑦)。

★当該データベース稼働に伴い事業者が行うこと!

①GビズIDアカウントの作成
介護事業財務情報データベースシステム」へのログインに際し、GビズIDアカウントが必要。

②報告の単位
原則、介護サービス事業所・施設単位で行う。
事業所・施設ごとの会計区分を行っていない場合など、やむを得ない場合については、法人単位で報告しても差し支えない。

③報告対象となる事業所・施設
原則、全ての介護サービスを対象。
(注1)「居宅療養管理指導」、「介護予防支援」を除く。
(注2)原則、「みなし指定」の保険医療機関等についても本制度の報告対象である。

④報告の対象となるサービス方法
原則、介護サービス事業に係る事項のみを対象。
ただし、医療・障害福祉サービスに係る事業を併せて実施している場合で、当該サービス等に係る収益や費用について、介護サービスとの記載が区分されていない場合には、当該事業に係る部分について、除外せずに報告しても差し支えない。

⑤報告する内容
以下の通知「別紙1」に掲げる事項で「任意項目以外の項目」を報告。
「介護保険法第115条の44の2の規定に基づく介護サービス事業者経営情報の調査および分析等に関する制度に係る実施上の留意事項について」における「別紙1」に掲げる事項。

⑥報告方法
令和7年1月6日から稼働する「介護事業財務情報データベースシステム」により入力を行う。

⑦報告時期、報告期限
 この全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律(令和5年法律第31号)による改正後の介護保険法第115条の44の2において、都道府県知事は、当該都道府県の区域内に介護サービスを提供する事業所又は施設を有する介護サービス事業者の収益及び費用その他の厚生労働省令で定める事項について、調査及び分析を行い、その内容を公表するよう努めることとされている。

また、介護サービス事業者は、介護サービス事業者経営情報について、当該事業者又は施設の所在地を管轄する都道府県知事に報告する等とされており、施行日は令和6年4月1日とされています。

3.「介護事業財務情報データベースシステム」の報告時期・報告期限について

 すでに述べたとおり、法改正の施行日は令和6年4月1日となっているものの、介護最新情報Vol.1336(令和6年12月13日)のとおり、このータベースシステムの稼働開始日は「令和7年1月6日」ということが示されています。

つまり、現時点(令和6年12月18日時点)、このデータベースシステムは稼働していないのですが、入力はできないのです。

 こうしたことから、今年度(【アの期間】)と、次年度以降(【イの期間】)と取扱い期間が異なるので注意が必要です。

【アの期間】

令和6年3月31日~令和6年12月31日までに会計年度が終了する報告

☞入力可能開始日は「令和7年1月7日」から!

報告期限は、「令和7年3月31日」まで。

☞つまり、事業者の方々は、令和7年3月31日までにデータベースへの入力を行うことが必要であり、この期日までに入力完了していなければ「運営指導の指摘事項」です!

また、この取扱いは介護事業財務情報データベースシステムが稼働する初年度としての取扱いとなり、次年度以降は以下、【イの期間】としての取扱いとなります。

【イの期間】

令和7年3月31日~令和7年12月31日までに会計年度が終了する報告

報告期限は、「毎会計年度終了後、3月以内」まで。

次年度以降、つまり上記イについて、具体例を挙げると、令和7年3月31日に会計年度が終了する場合には報告期限は「令和7年6月30日」となります。また、令和7年12月31日に会計年度が終了する場合には、報告期限は「令和8年3月31日」となるということです。

(注1)このブログでは以下の内容を中心に説明します(介護最新情報Vol.1297、Vol.1336参照)。

・介護保険法第115条の44の2の規定に基づく介護サービス事業者経営情報の調査および分析等に関する制度に係る実施上の留意事項について

・介護保険法第115条の44の2に基づく介護サービス情報の報告及び公表に係る制度に関するシステムの運用開始に向けた対応等について

(注2)なお、令和6年8月20日付け「介護サービス事業者経営情報の報告等に関するQ&A」の発出について」(介護最新情報Vol.1305)が発出されており、運用にあたっては本通知を参考にしてください。

【介護サービス事業者経営情報データベースシステムのURL】

403 Forbidden

【本制度に関する厚生労働省ホームページのURL】

介護サービス事業者経営情報データベースシステム
介護サービス事業者の経営情報を収集し、収集した経営情報について事業者の属性に応じた分析結果を公表するものです。

4.現時点(令和6年12月18日時点)で事業者が準備すべきこと!

 実は、現時点(令和6年12月18日時点)で事業者がすることは、以下の①②ということとなります。

★現時点、事業者が準備すること

①GビズIDアカウントの作成

②報告の単位 原則、介護サービス事業所・施設単位。

ただし、事業所・施設ごとの会計区分を行っていない場合など、やむを得ない場合については、法人単位で報告しても差し支えない。

5.まとめ

 今回のブログでは、介護最新情報Vol.1336(令和6年12月13日)で、このデータベースシステムの名称と稼働開始日が厚生労働省から示されたことから、正式に当該データベースシステムの名称と稼働日を皆さんにお伝えすることが大きな目的です。

 

●データベースシステムの名称・・介護サービス事業者経営情報データベースシステム
●データベースシステム稼働開始日・・令和7年1月6日

今回もですが、介護保険最新情報Vol.1297、Vol.1336に掲載されていた通知である「介護保険法第115条の44の2の規定に基づく介護サービス事業者経営情報の調査及び分析等に関する制度に係る実施上の留意事項について」を基礎とし、介護保険法、これに関する政令・省令・通知を細かく確認しました。

そのうえで、改めて事業者が当該データベース稼働に伴い、現時点で何を行わなければならないのかを示しました。

 なぜ、ここまで私が拘るのかというと、多くの介護事業者が、その制度趣旨の理解や取扱いを間違えてしまうことにより、「余計な仕事を増やしてしまうことを避ける」ということからです。

事業者として、法に基づきやるべきことをしっかりやって、無駄な負担となることはやめましょう!そして少しでも介護の本業に集中しよう!

今後も、このテーマにつきまして情報収集含め、しっかりと追っていこうと思いますので、引き続きブログを楽しみにしていてください。

最後まで、ブログをお読みいただき、誠にありがとうございました。